身体機能を拡張・増幅・補助できるサイバーダイン製のサイボーグ型ロボット「HAL」を、独西部ボーフム・ルール大学病院がリハビリ用に導入した。HALが日本以外で投入されるのは初めて。患者の関心は高く需要は大きいようだ。
HALは生体電位信号を読み取って動作するパワードスーツで、身体障害者や高齢者の運動補助目的で利用される。装着者の皮膚に取り付けられたセンサーを通して微弱な生体電位信号を感知し、内蔵コンピューターによって信号を解析。装着者の動きを補助するようにスーツが動作する。日本では昨年11月、販売が承認された。
ボーフム・ルール大学病院では脳卒中で下半身が麻痺した患者のリハビリに利用している。サイバーダイン独法人のテオドール・ビュルホッフ社長は『ヴェルト』紙に、「車椅子を利用する患者、あるいは従来の治療法では歩行機能を回復できない懸念のある患者に特に適している」と述べた。
ただ、HALを利用した治療はコストが約2万5,000ユーロと高い。このため治療費を引き受ける公的健保組合は現在、ほとんどない。幅広く普及させるためには低コストが必要とみられている。