スウェーデンの商用車用ブレーキメーカー、ハルデックスは8日、独競合クノールブレムゼが同社を株式公開買い付け(TOB)で買収する計画について、独禁法上の問題をクリアできれば受け入れると発表した。両社は事業の重複が多いことから独禁当局が承認するかは定かでなく、買収が実現しない可能性は残されている。
ハルデックスは8月、自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンにTOBで買収されることを取り決めた。クノールブレムゼはこれを受けて9月に対抗TOB方針を表明した。
ZFとクノールブレムゼはTOB価格をそれぞれ引き上げていき、クノールブレムゼは最終的に1株当たり125クローナを提示した。これに対しZFは同120クローナにとどめた。クノールブレムゼのハルデックス買収計画には独禁当局に承認されないリスクがあるのに対し、ZFはハルデックス買収に必要な独禁当局の承認をすでにすべて獲得しTOBの支払いを速やかに実施できる状況にあったことから、株主の支持を得られると判断していたのだ。
だが、ZFがTOB終了期限までに確保した株式は目標とした50%プラス1株以上を大きく下回っており、同社は10月上旬、ハルデックスの買収を断念すると発表した。
『南ドイツ新聞』によると、ZFはハルデックス買収を断念しておらず、水面下で交渉を進めているという。