ドイツ各地で鳥インフルエンザが流行している。野鳥のほか家禽農家でも計2件の発生が確認されており、同国北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州では13日までに3万羽が殺処分された。クリスチャン・シュミット連邦農相は14日、家禽の屋外飼育禁止措置を全国に発動することを検討していると語った。
流行している鳥インフルエンザはH5N8型。2年前に流行したH5N8型からはやや変異しており、毒性が強い。フリードリヒレフラー研究所によると、人間に感染する恐れはないという。
ウイルスは渡り鳥が持ち込んだとみられており、独北部のほか、南部のボーデン湖周辺地域でも14日までに野鳥の感染126件が確認された。
3万羽が殺処分となったシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の農家では屋外飼育を行っていなかった。屋外から入り込んだ空気を通して感染したとみられている。家禽での感染はこのほか、独北東部のメクレンブルク・フォーポマーン州でも発生。同州は州内の計5地区から家禽(食肉・肉製品を含む)を外部に輸送することを禁止した。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州は州内全域で屋外飼育を禁止している。
北部州ニーダーザクセンと西部州ノルトライン・ヴェストファーレンも渡り鳥の休憩地点となる湖などの「リスク地域」を対象に屋外飼育禁止措置を発動した。
H5N8の感染はハンガリー、オーストリア、デンマーク、スイス、オランダ、クロアチアでも確認されている。シュミット農相は14日、周辺諸国と共同で対策を検討する考えを示した。