仏石油大手のトタルは8日、世界最大級の天然ガス田であるイランのペルシャ湾沖「サウス・パース」ガス田の新鉱区開発について、イラン国営石油会社(NIOC)と基本合意したと発表した。NIOC子会社のペトロパルス、中国石油天然気集団(CNPC)共同で、第11鉱区を開発する。イランが核開発をめぐる経済制裁を解除されてから欧米の石油会社と契約する初の大型案件となる。
第11鉱区開発の契約期間は20年。事業費は48億ドルに上る。トタルが50.1%、CNPCが30%、ペトロパルスが19.9%の権益を持つ。2期に分けて開発を進め、日量18億立方フィートの天然ガスをイラン国内に供給する。トタルによると、第1期では約20億ドルを投じ、30本の坑井を掘削するほか、海洋プラットフォームなどを整備する。来年初めの最終契約を予定している。
トタルは2000年代にサウス・パース・ガス田の第2、3鉱区の開発に参加。04年に第11鉱区開発で合意したが、10年に欧米が対イラン経済制裁を発動したため同国の事業から撤退していた。