欧州委員会は14日、中国製の一部の鋼管製品に暫定的な反ダンピング措置を発動すると発表した。対象となるのは石油・ガス、電力、建設業界などで利用される外径406.4ミリメートルを超えるシームレス管(ステンレス製を除く)。43.5~81.1%の反ダンピング関税を課す。
欧州委は今年2月、EU内の業界団体から中国の鉄鋼メーカーが熱間圧延鋼材、厚板鋼材、シームレス管を不当な廉価で輸出し、域内メーカーを圧迫しているという苦情が寄せられたことを受けて、反ダンピング調査を開始。熱間圧延鋼材、厚板鋼材については10月に暫定的な反ダンピング措置を発動していた。シームレス管に関してもダンピングが行われていると判断し、同措置の適用を決めた。
暫定的な反ダンピング措置の適用期間は6カ月。その間に欧州委はさらに調査を進め、必要と判断すれば、最長5年の正式な反ダンピング措置に切り替えることになる。