キプロス最大手銀行のキプロス銀行は15日、ロンドン証券取引所(LSE)での上場を計画していることを明らかにした。知名度を高めることで新たな投資家を呼び込み、資金調達を拡大するのが狙い。アイルランドに持ち株会社を新設し、実現を目指す。
キプロス銀はLSEにスタンダード上場する計画。将来的には上場要件が厳しいプライマリー上場を果たし、LSEに上場する中堅企業で構成される株価指数に採用されることを目指す。キプロス企業は同指数に組み込まれないことから、アイルランドに持ち株会社を設立する。
キプロスの金融危機で経営が悪化したキプロス銀行は2013年、政府がEUなどから受けた金融支援を活用して救済され、10万ユーロを超える大口預金者の預金額を47.5%削減するなどして再建に取り組んできた。その結果、経営は安定化に向かい、14年に10億ユーロの資本増強を実施して再建が軌道に乗り、15年に黒字に転換。今年上期は5,600万ユーロの純利益を計上した。
同行はLSE上場後も引き続きキプロスに本社と事業本部を置き、同国での上場を維持するが、ギリシャでの上場は廃止する。