安川電機は21日、独フランクフルトで記者会見を開き、欧州事業の強化方針を明らかにした。戦略的に重視する同地の主要市場で中期的に上位2位以内に食い込む目標。10月には産業ロボットの新開発・製造拠点をスロベニアに開設する計画を発表するなど、欧州市場攻略に向けた準備を整えている。
同社は2,500万ユーロを投じてスロベニア南部のリブニツァに制御装置を含めた産業用ロボットの開発・製造拠点を新設。2018年から生産を開始する。欧州統括会社・安川ヨーロッパのマンフレート・シュテルン社長は中国の美的集団に買収される独競合クーカが実質的に中国企業へと変わっていくとの予想を示したうえで、「安川は今後、欧州のプレーヤーになるつもりだ」と明言。現地市場開拓への意気込みを示した。
安川電機は現在、欧州で約350人の開発・アプリケーション技術者を抱えている。スロベニア新拠点の開設後はカスタマイズされたロボット・ソリューションをこれまでよりも迅速に提供していく意向だ。
シュルツ社長はまた、ドイツの拠点を強化する方針を明らかにした。製造業のあり方を大きく変える「インタストリー4.0」の分野で同国が主導的な立場に立っているためで、「ドイツの機械メーカー、中堅・中小企業から学びたい」と述べた。