ポルトガル最大手銀行のポルトガル商業銀行(BCP)は20日、中国の複合企業・復星国際が同行の株式16.7%を1億7,500万ユーロで取得すると発表した。これによって復星国際はBCPの筆頭株主となる。
ポルトガルは2011年、ギリシャの債務危機が飛び火して深刻な信用不安に陥り、国内銀行も大きな打撃を受けた。これにBCPも巻き込まれ、13年に公的資金の注入を受けて救済された経緯がある。現在も多額の不良債権を抱え、厳しい状況が続いているBCPは、公的融資返済資金の確保と経営安定化に向けて資本増強を迫られていることから、復星国際による出資を受け入れた。
1株当たりの取得価格は1.1089ユーロ。前営業日(18日)の終値を11%下回る水準となる。復星国際は近い将来に出資比率を30%程度まで引き上げることを検討している。
復星国際はこのところ欧州で積極的に買収に乗り出しており、仏リゾート施設運営会社クラブ・メディテラネ、ドイツの老舗プライベートバンク、ハウク・ウント・アウフホイザー(H&A)などを買収した。ポルトガルでは14年に国営銀行カイシャ・ジェラル・デ・デポジトス(ポルトガル貯蓄銀行=CGD)傘下の国内保険最大手カイシャ・セグロスを10億ユーロで買収していた。