乗客増加率に応じて航空会社に割引へ=フランクフルト空港

フランクフルト国際空港は乗客が増加した航空会社の空港利用料金を割り引くルールを来年から導入する。当初は同空港を新規利用する航空会社にのみ割引を適用する計画だったが、ルフトハンザなどの既存顧客が反発。認可当局である地元ヘッセン州(筆頭株主)の経済省は利用者の増加幅が大きいほど割引率が高くなるルールの導入を決めた。

フランクフルト空港運営会社のフラポートは先月初旬、来年春から同空港を利用するアイルランドの格安航空会社(LCC)ライアンエアに特別の便宜を図る意向を表明した。メディア報道によると、少なくとも15%の空港利用料金割引と、着陸から再離陸までの時間を35分に短縮することを確約したという。

これに対し同空港の最大の顧客であるルフトハンザなどが反発。同等の割引適用を要求したが、フラポートのシュテファン・シュルツ社長は、ライアンエアに対する措置は新規の航空会社を獲得する際にドイツの空港が通常、与えるインセンティブだとしてルフトハンザの批判を退けた。

ヘッセン州経済省はこうした経緯と競争法の規定を踏まえて新ルールの導入を決定した。乗客数が3~4%増えた航空会社は翌年の空港利用料金を乗客1人につき2ユーロ、同4~5%増の会社は3ユーロそれぞれ割り引かれる。割引額は乗客増加率が大きいほど高くなり、20%超増の会社では14ユーロに上る。割引措置は最大3年間有効だが、割引額は翌々年以降、毎年20%引き下げられる。

このルールではルフトハンザなどの既存顧客も割引を受けることができる。ただ、新規顧客は最大の割引額である14ユーロが適用されるため、実質的に優遇されることになり、同社は依然として不公平なルールだと批判している。

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