伊藤忠商事―独で洋上風力発電に参画―

伊藤忠商事は20日、ドイツの洋上風力発電所に中国政府系投資会社「中国中信集団(CITIC)」の香港子会社・中信泰富(CITICパシフィック)と共同出資することで合意したと発表した。伊藤忠と中信泰富が欧州の再生可能エネルギー市場で協力するのは今回が初めて。今後も同市場の他の案件で協力することを検討する。

デンマーク年金ファンドが保有するブーテンディーク洋上風力発電所の権益22.5%を共同で取得する。同発電所は北海のジルト島沖32キロメートルの海域にあり、昨年8月に商業運転を開始した。発電能力は288メガワット(MW)で、独北海沖で稼働中の施設では最大。

ドイツは環境政策の一環として、2050年までに総電力消費量に占める再生エネルギーの割合を80%以上へと引き上げることを目標として掲げており、中長期的に洋上風力発電などの需要が高まる見通し。中信泰富は中国でも今後、洋上風力発電の成長が見込まれることから、同分野で先行する欧州の事業に参加し、ノウハウを吸収する考えだ。

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