人材派遣会社アウトソーシング(東京)は14日、独同業オリツォン・ホールディング(Orizon Holding)を英投資会社シルバーフリートから完全買収することで合意したと発表した。景気変動の影響を受けにくい経営体制の構築戦略に基づき海外事業を強化する考え。取引金額は88億8,900万円。来年6月末までの買収手続き完了を見込む。
オリツォンは独8位の人材派遣企業で、機械、航空機、医薬業界などメーカー向けの派遣に強みを持つ。顧客基盤は主に中堅企業。ドイツ南部を中心に広範なネットワークを構築している。
アウトソーシングは従来、メーカー向けの人材派遣を中心に事業を展開してきたが、同事業は景気変動の影響を受けやすいことから、製造業とは景気サイクルが異なるビジネス分野への進出と事業のグローバル化を推進。オーストラリアや英国では公的サービスの民間委託市場へと進出した。
オリツォンの買収により、ドイツのほか、東欧など製造業が盛んな欧州各国にも足場を確保することになる。