ベルリンのクリスマス市でテロ、12人死亡

ベルリンのクリスマス市で19日20時頃、大型トラックが人ごみに突入するテロ事件が起きた。運転していたとみられる男は逮捕されたものの、証拠不十分で翌日午後に釈放された。犯行に「イスラム国(IS)」などのイスラム過激派が関与しているかは現時点で不明だ。ドイツではクリスマス市を狙った12歳の少年の爆弾テロ未遂事件も起きるなど、安全上の懸念が高まっている。

ベルリンの事件は戦争の惨禍の象徴として有名なカイザー・ヴィルヘルム記念教会前の広場で起きた。

犯行に使われたトラックが訪問者でにぎわう市に高速で突入。これまでに12人の死亡、45人の重軽傷が確認されている。

犯行に使われた車両はポーランドの運送会社のもので、犯人はトラックを乗っ取ったうえで、同社の運転手を射殺したもようだ。同運転手は助手席で死亡した状態で見つかった。

犯人は犯行後に逃走。警察は事件発生から1時間後に犯人とみられる23歳のパキスタン人男性を逮捕した。

同容疑者は昨年末、ドイツに難民として入国し、2月からベルリンの難民施設で生活していた。だが、当初から容疑を否認していたうえ、十分な証拠もないことから、ペーター・フランク連邦検事総長は釈放前の時点で、同容疑者は犯人でない可能性があると述べていた。運転手の射殺に用いた銃は見つかっていない。

爆弾テロはドイツ生まれのイラク系の少年が独西南部ルートヴィヒスハーフェンのクリスマス市で行おうとした。自ら爆弾を作製。11月26日に爆発させようとしたが、不発だったため5日、リュックサックに入れて市庁舎近くの藪に捨てた。警察に不審物の通報があったことから、事件が発覚した。爆弾には殺傷力を高めるためにくぎが混ぜられていた。

同少年はISのメンバーの指示ないし扇動を受けてテロを行おうとしたもようだ。ISの活動に参加するためにシリアに渡航することを今年夏の時点で考えていたという。

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