ベルテルスマンが書籍合弁を完全買収の方向

メディア大手の独ベルテルスマンが英同業ピアソンとの書籍合弁会社、ペンギン・ランダムハウスを完全子会社化する可能性が高まってきた。ピアソンが保有する同合弁株の売却方針を打ち出し、ベルテルスマンが買い取りに前向きな姿勢を示しているためだ。

ベルテルスマンとピアソンは2012年、それぞれが子会社ランダム・ハウス、ペンギンを通して展開してきた書籍事業を統合することで合意した。米アマゾンなどの電子書籍の攻勢に対応することが狙いで、13年にペンギン・ランダムハウスを設立した。出資比率はベルテルスマンが53%、ピアソンが47%。ピアソンは同保有株を今年1月以降に売却する権利を保有しており、18日にこれを行使する意向を表明した。

ベルテルスマンのトーマス・ラーベ社長は同日付の声明で、書籍事業は同社の中核事業だと強調したうえで、価格などの面でピアソンと折り合いがつけば同47%を取得する考えを明らかにした。ペンギン・ランダムハウスの完全子会社化により、コンテンツ事業と米国でのプレゼンスを強化する考えだ。

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