伊大手銀行インテサ・サンパオロは24日、同国の保険最大手ゼネラリの買収を検討していると発表した。創業186年のゼネラリをめぐっては、仏アクサや独アリアンツなどが買収に動くとの観測が広がっている。このため市場では、ゼネラリが国外の同業大手に買収されるのを防ぐため、インテサが買収の意向を表明したとの見方が出ている。
イタリアでは企業間の株式持ち合いについて、自社株の3%以上を保有する企業に対しては、60%以上の株式を取得して経営権を確保しない限り、最大3%しか出資できない仕組みになっている。インテサがゼネラリの買収を検討していることはすでに地元紙などが大きく報じており、ゼネラリは防衛策として、23日にインテサの株式3.01%を取得した。これにより、インテサは少数株主としてゼネラリと提携することができなくなり、今後はゼネラリがインテサの買収提案を受け入れるか、交渉が不調に終わり、インテサが敵対的買収に踏み切るか、いずれかの展開になるものとみられる。
ゼネラリは経営陣や株主が安定しないため、以前から国外の同業大手が狙う買収の標的としてたびたび名前が挙がっていた。ゼネラリは約700億ユーロに上るイタリア国債を保有しており、伊政府は同社を戦略的資産と位置づけているが、赤字財政と政情不安が深刻化するなか、外資が買収攻勢に出た場合、適切に防衛策が講じられるかどうかは不透明だ。こうしたことから市場では「インテサはアクサやアリアンツによる買収または合併を阻止する目的で、ゼネラリの経営権取得に動くと理解している」(メディオバンカ・セキュリティーズのアナリスト)といった声が出ている。