英のEU離脱通告法案が下院通過、上院で審議へ

英下院は8日、政府にEU離脱を通告する権限を与える法案を賛成多数で可決した。同法案は今後、上院で審議される。順調に行けば3月初めに成立し、政府は予定通り3月末までにEUとの離脱交渉を開始することになる。

英国とEUの離脱交渉は、英政府が離脱を正式に通告してから開始される。英政府は当初、議会の承認を取り付けることなく同通告を行う方針だったが、最高裁の判決で議会承認が必要になったため、関連法案を提出していた。

下院では議員の3分の2がEU離脱の是非を問う国民投票に際して残留を支持したが、離脱を決めた民意を尊重し、賛成494、反対122の大差で同法案を承認した。残留派の野党は国民投票の再実施、他のEU加盟国の出身者に今後も英国で居住できる権利を与えることなどを求める修正案を提出したが、過半数を占める与党・保守党が否決。最終的に労働党も大半が法案支持に回った。

上院では与党が過半数を割り込んでおり、修正を求める動きも出ていることから、審議が難航する可能性はあるものの、否決はされない見通し。政府は3月上旬にも離脱を通告し、同月内の離脱交渉開始にこぎ着けたい考えだ。

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