陸上風力発電の新設容量、昨年は24%増加

独風力エネルギー全国連盟(BWE)は7日、国内陸上風力発電の昨年の新設容量が前年比24%増の4,625.25メガワット(MW)となり、政府目標の2,500MWを大きく上回ったと発表した。再生可能エネルギー由来の電力を固定価格で買い取る制度が今年1月から入札制度に改められることを見越して駆け込み需要が膨らんだ格好。昨年末時点の認可申請規模(未着工)が6,128MWに上ることから、新設容量は今年も高い水準に達する見通しだ。

再生エネ電力はこれまで、固定価格で買い取ることが再生可能エネルギー法(EEG)で義務づけられていた。買い取り価格で得られる収入は発電施設の設置・運営コストを大幅に上回り、施設を設置すれば確実に利益を得られることから、再生エネ発電施設を設置する企業や投資家、市民が急増。これにより再生エネを大幅に拡充するとした政府の思惑は満たされたものの、同電力買い取りの費用は最終的に電力料金に上乗せされることから、消費者や企業の負担が限界に達している。

こうした現状を改めるため、今年からは再生エネ発電施設の新規設置を入札によって決める制度が本格導入された。低価格での買い取りを提示した事業者が落札することから、買い取り総額の膨張に歯止めがかかることが期待されている。風力発電のほか、発電容量750キロワット(KW)超の大型太陽光発電、バイオマス発電施設が対象となる。

陸上風力発電の入札は今年3回、来年4回行われる。入札の規模は両年ともそれぞれ計2,800MW。BWEはこれらの入札規模と昨年末時点の認可申請規模(6,128MW)を踏まえ、陸上風力発電の新設容量が今年は4,500~5,000MW、来年も3,000~3,500MWと高水準を保つものの、2019年以降は2,800MWを割り込むと予想している。市民参加型のプロジェクトは実現に時間がかかることが響くという。

昨年は撤去された陸上風力発電施設の容量が366.09MWに上った。これを除いた実質の新設容量は4,259.17MWだった。

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