高級車大手の独BMW(ミュンヘン)が小型車「ミニ」の英国生産を将来的に停止し、大陸欧州の工場へと移管するとの観測が出ている。英国のメイ政権が欧州連合(EU)からの強硬離脱(ハードブレグジット)方針を打ち出したことで、EU市場への自由なアクセスを確保できなくなるとみられるためだ。独経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が2月27日付で報じた。ミニは現在、主に英オクスフォード工場で生産されている。
BMWは昨年、ミニ初の電気自動車(EV)を2019年に発売する計画を発表した。当初はオクスフォード工場で同EVを生産する考えだったが、ハードブレグジット方針を受けて英国から主要市場のEUへの自由なアクセスが確保できない見通しが高まっていることから、独ライプチヒ、レーゲンスブルクの自社工場での生産、ないし蘭VDLネッドカーへの生産委託が有力になっているもようだ。VDLネッドカーは現在、ミニの3ドア、カブリオレ、カントリーマンを受託生産している。
HB紙によると、BMWは環境規制の強化を踏まえ将来的にミニをすべてEV化する方向という。これが現実になれば、ミニの英国生産は停止される恐れがある。