仏PSA、オペル買収実現に意欲

米ゼネラルモーターズ(GM)の欧州子会社オペルの買収に乗り出している仏自動車大手PSAグループのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は23日の記者会見で、同社がオペル統合によって「欧州の自動車のチャンピオン」となるチャンスが生まれると述べ、買収実現に意欲を示した。オペル車の欧州外への輸出を目指す意向も表明した。

PSAは3年前まで深刻な経営不振が続き、仏政府による救済が必要な状況に陥った。しかし、このところ販売の復調、コスト削減によって業績が急回復し、同日発表した2016年12月通期の純利益は前期比92%増の17億3,000万ユーロに拡大。6年ぶりの配当実施を発表した。

同社は業績改善を機に、買収によって事業を拡大したい考えで、14日にGMとオペル買収に向けた交渉を行っていることを確認。さらに、マレーシアの国民車メーカー、プロトン・ホールディングスに買収を提案したことも、このほど明らかになった。

タバレスCEOは決算発表の記者会見で、オペルが不振で2010年から赤字となっていることに言及した上で、「オペルは助けを必要としている」と指摘。「当社が助けることができると確信している」と述べ、買収の意義を強調した。また、GMはオペル車を欧州だけで販売しているが、タバレスCEOは「オペル車の輸出を促進し、西欧以外で販売することが絶対に可能だ」と述べ、海外での販売に乗り出す用意があることを明らかにした。

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