欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2017/3/6

EU情報

2月のユーロ圏インフレ率は2%、ECBの目標水準に到達

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが3日発表した2月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比2%となり、前月の1.8%から0.2ポイント拡大した。原油価格の上昇に支えられ、欧州中央銀行(ECB)が目標とする「2%をわずかに下回 […]

EU統計局ユーロスタットが3日発表した2月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比2%となり、前月の1.8%から0.2ポイント拡大した。原油価格の上昇に支えられ、欧州中央銀行(ECB)が目標とする「2%をわずかに下回る水準」に達した。同目標を満たすのは2013年1月以来、約4年ぶり。

エネルギーの上昇率は9.2%。原油高で前月の8.1%を大きく上回った。工業製品は0.2%で、前月から0.3ポイント縮小。サービスは前月を0.1ポイント上回る1.3%だった。

ユーロ圏ではインフレ率が16年2月から5月にかけてマイナスまたは横ばいで推移し、デフレ懸念がくすぶっていた。しかし、ECBの量的金融緩和、超低金利政策の効果もあって物価は安定に向かい、とくに12月以降は原油価格が石油輸出国機構(OPEC)の減産合意で上昇に転じたことで、大幅に拡大している。

ただ、ECBが金融政策で重視するエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は0.9%と、なお低水準にとどまっている。前年同期に原油価格が低迷していた反動による物価押し上げ効果が今年下期には薄れ、インフレ率の伸び率が縮小する可能性が高いことから、市場ではECBが量的金融緩和を当面は継続するとの見方が大勢を占めている。