化学大手の独ヘンケルは2日、米建材大手GCPアプライド・テクノロジーズから缶気密シール・コーティング剤子会社ダレックス・パッケージング・テクノロジーズを買収する方向で独占交渉を開始したと発表した。買収を通して製品ポートフォリオを拡充する経営戦略に基づく取り組みで、金属包装材向け事業を強化する考え。債務を含めて総額10億5,000万ドルで買収する。
ダレックスは米マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く企業で、飲料、食品、エアゾール缶メーカー向けに製品を供給している。世界19カ国に計20の拠点を展開。従業員数は約700人で、昨年は約3億ドルを売り上げた。売り上げの地域別の内訳(2015年)は欧州・中東・アフリカが32%、アジア太平洋が24%、南米が23%、北米が21%となっている。
ヘンケルは同社の買収により、接着剤事業を強化する。ダレックスの製品は景気変動の影響を受けにくいことから、業績の安定につながるメリットも期待できる。