ディーゼル車の新車登録が10%以上減少

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2月の乗用車新車登録台数は前年同月比2.6%減の24万3,602台となり、4カ月ぶりに落ち込んだ。比較対象の昨年2月に比べて営業日数が1日少なかったことが響いた。都市部での走行制限が現実味を帯びているディーゼル車は減少幅が10.5%に達しており、今後の政策次第では低迷が長期化する懸念もある。1〜2月の累計の新車登録台数は48万5,001台で、前年同期を3.5%上回った。

2月の新車登録に占めるディーゼル車の割合は43.4%で、前年同月の47.2%から3.8ポイント低下した。ドイツでは欧州連合(EU)の有害物質濃度規制を遵守できない大都市が多く、バーデン・ヴュルテンベルク州政府は有害物質の排出量が多い日に欧州排ガス基準で「ユーロ5」以下のディーゼル車がシュツットガルト市内の特定の道路を走行することを来年から禁止する計画だ。

新車に占めるガソリン車の割合は前年同月の50.9%から53.7%へと上昇した。

電気自動車の新車登録は105.9%増の1,546台と2倍以上に拡大した。環境対応車の購入補助金制度が奏功した格好。ハイブリッド車は44.0%増の5082台で、同助成金の対象となるプラグインハイブリッド車はそのうち1,443台を占めた。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均127.7グラムで、前年同月を0.2%上回った。

新車登録が最も大きく伸びた部門はSUVで、16.7%を記録。新車全体に占める割合は14.9%に達し、小型車(同14.8%)を抜いて2位に浮上した。1位はコンパクトカーで、シェアは23.6%だった。

伸び率が最も大きかったブランドはテスラで、122.0%増の202台を記録。これにアルファロメオ(83.0%増の430台)、スズキ(55.8%増の3,399台)、レクサス(49.3%増の203台)、韓国の双竜(48.9%増の283台)が続いた。

ドイツ車ではミニ(15.0%増の2,731台)が2ケタ増となり、アウディ(4.2%増の2万4,377台)、ポルシェ(2.4%増の2,285台)、フォード(0.5%増の1万7,934台)も増加。その他はすべて減少した。各ブランドの実績はメルセデスが2.1%減の2万1,765台、オペルが5.9%減の1万8,016台、BMWが8.9%減の1万7,797台、VWが18.6%減の4万2,557台、スマートが21.6%減の2,182台だった。

スズキとレクサスを除く日本車はトヨタ(24.4%増の6,272台)、日産(5.8%増の6,390台)、三菱(0.5%増の3,343台)が増加。マツダ(2.5%減の4,919台)、スバル(6.7%減の610台)、ホンダ(25.0%減の2,383台)は落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドではジャガー(36.0%増の604台)、ダチア(29.6%増の3,804台)、フィアット(18.1%増の5,512台)、起亜(16.3%増の4,776台)、ルノー(15.7%増の8,769台)が2ケタ台の伸びを記録。プジョー(9.6%増の4,216台)、セアト(5.9%増の6,328台)、シトロエン(5.2%増の3,852台)、ジープ(0.9%増の1,033台)も前年同月を上回った。現代(1.1%減の7,197台)シュコダ(4.1%減の1万4,053台)、ランドローバー(13.5%減の1,587台)、ボルボ(22.2%減の2,176台)、DS(29.7%減の185台)は減少した。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した2月の国内乗用車生産台数は46万2,100台で、前年同月を7%下回った。同輸出台数は5%減の38万700台。1〜2月の累計は生産台数が前年同期比1%増の95万1,400台、輸出台数が2%増の72万9,200台だった。

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