自動車大手の仏PSAグループは6日、米同業ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州事業を買収することで合意したと発表した。同買収により欧州市場シェア(ロシアとトルコを除く)を17%へと拡大し、独フォルクスワーゲン(VW)グループに次ぐ2位へと浮上する。
独オペルと英ボクソールからなる車両事業と欧州金融事業をGMから譲り受ける。取引金額はそれぞれ13億ユーロ、9億ユーロで、合わせて22億ユーロ。GMの欧州金融事業は仏銀BNPパリバと折半出資で取得することから、PSAがGMに支払う金額は計18億ユーロとなる。独禁当局の審査を経て買収手続きが年末までに完了すると見込んでいる。
取引対象となるのは組立工場6カ所、システム部品工場5カ所、オペルの本社所在地である独リュッセルスハイムにある研究開発拠点で、PSAは従業員合わせて約4万人を引き継ぐことになる。伊トリノにある開発拠点はGMが引き続き運営する。
オペルとボクソールは当面、GMからライセンスを受けて車両を生産。GMに対しライセンス料を支払う。将来的には漸次、PSAのプラットフォームへと切り替えていく。
PSAは買収後、調達、製造、研究開発でシナジー効果を引き出していく考えで、2026年までに年間コストを17億ユーロ圧縮する計画だ。
GMはオペルを1929年に買収した。欧州事業は赤字が恒常化し経営の重荷となっていることから、PSAに売却する。今回の取引により特別費40億〜45億ドルを計上する見通しだ。
PSAはオペルとボクソールの黒字転換を20年までに実現する意向を表明した。