エネルギー大手エーオンが13.5億ユーロの増資

エネルギー大手の独エーオンは16日、新株を発行し約13億5,000万ユーロの資金を調達したと発表した。同社は放射性廃棄物の処理費用と在来型発電子会社ユニパーでの減損損失が響いて2016年12月期に過去最大の赤字を計上。自己資本が激減するなど財務が悪化していることから、増資に踏み切った。

16年12月期の税引き後損失は前期比151%増の160億700万ユーロへと大幅に膨らみ、ドイツ企業が計上した同損失で2番目に高い水準へと達した。保有するユニパー株で減損損失110億ユーロを計上。このほか、放射性廃棄物の中間・最終保管を引き受ける国の基金に拠出金100億ユーロを払い込むことも赤字幅の拡大につながった。

株主帰属の純損失は前期比21%増の84億5,000万ユーロで、3期連続で過去最高を記録した。売上高は11%減の381億7,300万ユーロ、営業利益(EBIT、調整済み)は13%減の31億1,200万ユーロだった。

自己資本は12億8,700万ユーロで、前期の190億7,700万ユーロから93%減少した。

12月末時点の純債務は263億2,000万ユーロだった。同社はこれを中期的に200億ユーロへと引き下げる計画で、ユニパーや核燃料合弁ウレンコの保有株売却するほか、1,300人の人員削減を実施する。投資額も引き下げる予定だ。

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