英議会は13日、政府にEU離脱を通告する権限を与える法案を可決した。これによって英政府は予定通り月内にEUに離脱を正式通告する見込み。原則2年間に及ぶ離脱交渉の開始が秒読みとなってきた。
英国とEUの離脱交渉は、英政府が離脱を正式に通告してから開始される。英政府は当初、議会の承認を取り付けることなく同通告を行う方針だったが、最高裁判所の判決で議会承認が必要になったため、関連法案を提出。2月に下院を通過したものの、上院が離脱をめぐる議会の権限を強化するといった修正案を可決したことから、下院に差し戻されていた。
与党が過半数を占める下院は13日、修正案を反対多数で否決し、原案を再可決。これを受けて行われた上院での採決では、有権者に選ばれた下院議員の判断を尊重し、原案が可決された。同法案は16日、エリザベス女王によって承認され、正式に成立した。