住友電工は27日、高電圧直流送電の分野で電機大手の独シーメンスと協力することで合意したと発表した。シーメンスのコンバーター技術と住友電工の高電圧直流ケーブル技術を統合することで、最先端の総合ソリューションを顧客に低コストで提供していく。住友電工は両社のコンソーシアムがインド送電公社から高電圧直流送電システムを受注したことも明らかにした。
高電圧直流ケーブルでは近年、運転温度が高く環境保全性に優れた架橋ポリエチレン(XLPE)ケーブルの採用が加速している。特に、洋上風力発電所などの再生可能エネルギーや国家・地域間連系線の建設が活発化している欧州で需要が急増。今後はアジアでも市場の拡大が見込まれている。両社はこれらの電力連系線プロジェクトで連携していく。
住友電工とシーメンスのコンソーシアムがインド送電公社から受注したのは、同国南部のタミルナドゥ州プガルール〜ケララ州トリチュール間の連系送電線の建設プロジェクト。送電線については、変換所間219キロメートルのうち架空線を除くケララ州内の32キロ区間での電力ケーブル(地中線)4本、計128キロの敷設を請け負う。プロジェクト総額は約600億円に上る。