EUは20日、ユーロ圏19カ国の財務相会合を開き、金融支援を行っているギリシャへの追加融資について協議したが、条件となるギリシャの構造改革をめぐる溝が埋まらず、合意に至らなかった。双方は4月上旬に開く次回の財務相会合での決着を目指し、協議を進める。
EUは2015年、債務危機が続くギリシャに対する総額860億ユーロの第3次金融支援を決定。同国が約束した財政再建策の進展状況を検証しながら、段階的に融資を実施することになっている。問題となっているのは、追加融資実行に向けた第2次審査。ギリシャは7月に約70億ユーロの債務返済期限を迎えるため、同融資が不可欠だが、条件となる構造改革をめぐる協議が難航し、実施が遅れている。
ギリシャは年金、税制、労働市場に関する構造改革を進めることを2月に受け入れ、債権団と具体案を協議することで合意。今回の財務相会合では詰めの協議が行われた。しかし、デイセルブルム議長(オランダ財務相)によると、大きな進展はなく、今後も協議を続けることを確認するにとどまった。同議長は4月7日に開く次回会合での合意を目指し、調整を進める意向を表明したが、「(次回の会合までに)すべての作業が終了する確証はない」と述べ、決着がずれ込む可能性があるとの見方を示した。