独自動車大手ダイムラーの地元シュツットガルトの検察当局は22日、ディーゼル車の排ガス不正問題に絡んで同社を対象に捜査を開始したことを明らかにした。社員に詐欺と違法広告の容疑が持たれている。排ガス不正問題に関する独検察当局の捜査対象はこれまでフォルクスワーゲン(VW)グループに限られていたが、他の企業にも拡大したことになる。ダイムラーは独交通省と連邦陸運局(KBA)が実施した調査で同社製品に違法性がないことが確認されていると指摘。容疑否認の立場を示した。
ダイムラーに対しては米法律事務所のハーゲンス・バーマンが同社製車両の所有者を代表して昨年2月に集団訴訟を起こした。同社のディーゼル技術「ブルーテック」を搭載した車両が排出する窒素酸化物(NOx)の量は米国の環境基準を大幅に上回っていると批判している。
米司法省はこれを受けてダイムラーに内部調査を要求。同社は容疑を否定しながらも調査を進めている。
独交通省とKBAはVW排ガス不正問題の発覚を受けて、独内外のメーカーのディーゼル車53モデルを対象に排ガステストを実施した。昨年4月に公表された同テスト結果によると、欧州連合(EU)ルールの盲点を突いて台上試験に合格するようにしていた車両が計22モデルあったものの、違法な車両はダイムラーのモデルを含めてなかった。同社はこれを根拠に容疑をシュツットガルト検察からかけられた容疑を否認している。