独自動車大手のBMWは、米国などで大幅な値引きを実施していた昨年の販売戦略を見直し、今年は値上げを実施する方針だ。ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズによると、BMWのニコラス・ペーター財務担当取締役は3月22日の投資家向け会議で、「安定した販売価格が最大の優先事項だ」と語った。BMWは昨年、複数の市場で値引きを行っていたが、特に米国では高級車メーカーの中でも最も大幅な値引きを実施していたもよう。
2016年通期決算では、競争激化や電気駆動車分野への先行投資、自動運転、新型「5シリーズ」などのラインアップの刷新などでコスト負担が重くなり、自動車部門のEBITベースの営業利益率が8.9%と、2010年以降では最低の水準となった。
BMWは同利益率で目標とする8~10%は堅持したものの、2016年は販売台数に加え、利益率でも独競合メルセデスベンツの後塵を拝する結果となった。
また、BMWは高級車メーカー首位の地位を奪回する意向を示してはいるが、イアン・ロバートソン取締役(販売担当取締役)は、「具体的な時期(目標)は決めていない。純粋な販売台数よりも利益率が重要だ」と語っている。
BMWは、2017年と2018年に新モデル及びマイナーチェンジモデルを計40モデル、市場投入する計画。