塗料世界最大手のアクゾノーベル(オランダ)は3月22日、米同業PPGインダストリーズから新たな買収提案を受けたが、拒否したことを明らかにした。PPGは買収額を引き上げたものの、なお「当社の価値を反映していない」などとして応じなかった。
アクゾノーベルは9日、PPGから総額220億ユーロでの買収を提案されたが、拒否したと発表していた。アクゾノーベルによると、新提案は1株当たりの買い取り価格を83ユーロから88.82ユーロに引き上げるというもので、買収額は224億ユーロに拡大する。
アクゾノーベルによると、取締役会は価格を不満としているほか、買収が実現すれば競争上の問題から一部事業の売却を迫られるほか、人員削減も行われるとして、全会一致で拒否を決めた。
ただ、同社の大株主の間では、PPGと統合するメリットは大きいとして、少なくとも買収協議には応じるよう求める動きが出ており、アクゾノーベルは難しい判断を迫られそうだ。