欧州委員会は6日、中国製の熱間圧延平鋼に正式な反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。すでに実施している暫定的な反ダンピング措置を本格的な措置に切り替え、18.1~35.9%の反ダンピング関税を課す。
熱間圧延平鋼は建材、造船、自動車用などの鋼管に使われる鋼材。欧州委は2016年2月、EU内の業界団体である欧州鉄鋼協会(EUROFER)から、中国の鉄鋼メーカーが不当な廉価で輸出し、域内メーカーを圧迫しているという苦情が寄せられたことを受けて、反ダンピング調査を開始。10月に暫定的な反ダンピング措置を発動していた。
その後の調査の結果、中国製品のダンピング輸出が確認されたとして、最長5年の正式な反ダンピング措置に切り替えた。関税率は暫定措置の13.2~22.6%を上回る水準に設定した。
欧州委は中国製の厚板鋼材、シームレス管についても、熱間圧延平鋼と同時に反ダンピング調査を開始。厚板鋼材は2月に正式な反ダンピング措置を発動した。シームレス管に関しては11月から暫定的な措置を発動している。
欧州委によると、EUに流入する鉄鋼製品をめぐる反ダンピング、反補助金関税の適用対象は現在41件。うち18件が中国製品となっている。