6月に携帯ローミング料廃止へ、欧州議会が料金規制案を可決

欧州議会は6日の本会議で、EU域内の他の国で携帯電話を使用する際に発生する国際ローミングのホールセール料金に上限を設ける規制案を賛成多数で可決した。これにより、EU内におけるローミング料廃止に向けた最後の障害が取り除かれ、EU市民は6月15日以降、域内のどこにいても自国と同じ料金水準でサービスを利用できるようになる。

EUでは2007年6月に採択された「携帯電話のローミングに関する規則」に基づき、域内の他の国で音声通話、ショートメッセージサービス(SMS)、データ通信を利用する際のローミング料金が段階的に引き下げられている。2015年10月には17年6月15日までにローミング料を廃止するための法案が採択された。ただ、ホールセール料金を据え置いたままローミング課金を撤廃した場合、事業者の収益が圧迫されるため、損失を補てんするため国内料金を引き上げたり、廃業に追い込まれるケースなどが予想される。このため欧州委員会は昨年6月、国際ローミングのホールセール料金に上限を設ける新たな規制案を打ち出し、欧州議会と加盟国は2月、欧州委案に一部修正を加えた規制案の内容で合意していた。

修正案によると、6月15日以降、ホールセール料金は音声通話が1分当たり最大0.032ユーロ、テキストメッセージは1件当たり最大0.01ユーロに制限される。一方、データ通信は6月15日時点の上限を1Gバイト当たり7.7ユーロに設定し、18年1月に6ユーロ、19年1月に4.5ユーロ、20年1月に3.5ユーロ、21年1月に3ユーロと段階的に引き下げて、22年1月以降は最大2.5ユーロに制限される。

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