独製薬会社バイオテスト、中国企業が買収

独中堅製薬会社バイオテストは7日、中国の投資会社・科瑞集団による買収で合意したと発表した。科瑞の支援を受けて事業を拡大する考えで、科瑞の傘下企業2社と企業結合契約(BCA)も締結した。

科瑞は株式公開買い付け(TOB)を実施し、バイオテストの普通株を1株当たり28.50ユーロ、優先株を同19ユーロで買い取る。これは買収交渉の事実を公表した3月29日までの3カ月間の加重平均株価をそれぞれ55%、15%上回る水準で、バイオテストを約13億ユーロ(債務を含む)と評価したことになる。普通株75%以上の確保をTOBの成立条件としている。

バイオテストの普通株50.61%を保持するオーナー一族(シュロイスナー家)はTOBに応じることをすでに確約していることから、普通株15%強を持つビーベラハ郡貯蓄銀行と同7%強を持つ独投資会社BWインベストの出方が焦点となりそうだ。

バイオテストは科瑞傘下の香港企業、天誠国際投資有限公司、独ブリッツ17-623 AG(Blitz 17-623 AG)とBCAを締結した。ブリッツ17-623 AGは3月2日に設立されたばかりの企業。

科瑞集団はフランクフルト近郊のドライアイヒにあるバイオテストの本社や社名、ブランド、製品名を維持することや、労使協定、雇用契約、経営参加権なども5年間変更しないことを確約している。

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