ニコンが蘭ASMLなど提訴、露光装置の特許侵害で

ニコンは24日、半導体露光装置の世界最大手メーカーである蘭ASMLと、ASMLに光学部品を供給する独カール・ツァイスをオランダ、ドイツ、日本の3カ国で提訴したと発表した。半導体露光装置に関するニコンの特許を無断で使用していると批判。当該製品の流通・販売の差し止めと損害賠償の支払いを要求している。ASMLとツァイスは訴えに根拠はないと反論している。

ニコンはASMLに対し蘭ハーグ地方裁判所で計11件の特許侵害訴訟を提起したほか、東京地方裁判所にも提訴。ASMLの液浸露光装置に使用されている光学部品の製造元であるツァイスに関しては独マンハイム地方裁判所に訴状を提出した。

ニコンは2000年代初頭、最先端半導体の製造に欠かせない液浸露光技術を開発した。現在、液浸露光装置を製造販売しているのは同社とASMLに限られる。

ニコンは2004年、ASML/ツァイスとの間でクロスライセンス契約を締結。同契約の対象となる特許のうち、出願日の早いものは恒久的なライセンスとし、遅いものは09年12月末までの期間限定ライセンスとした。同契約ではまた、10年1月1日から2014年12月31日までの5年間はお互いに特許訴訟を行わない不争期間とすることを取り決めた。

ASMLは09年末で使用権がなくなったニコンの特許技術を10年以降も使用して製品を製造・販売。ニコンはこれを受け、新たなライセンス契約の締結に向けてASML/ツァイスと交渉したが、合意に至らなかったため裁判に踏み切った。

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