EUの新車CO2排出量、16年は1.2%減

欧州環境庁(EEA)が4月20日公表したリポートによると、2016年に欧州連合(EU)域内で登録された乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量は走行1キロメートルあたり平均118.1グラムで、前年比1.2%減となった。モニタリングシステムが更新された10年からの累計では22グラム(16%)減を記録したが、削減ペースはこのところ鈍化しており、EEAはEUが掲げる21年までに新車のCO2排出量を平均95グラム以下に抑えるという目標を達成するため、さらに取り組みを強化する必要があると警告している。

リポートによると、16年にEU域内で登録された乗用車は合計147万台に上り、チェコ、オランダ、スロベニアを除く25カ国で新車登録台数が前年の水準を上回った。電気自動車の登録台数は6万4,000台で、前年比13%増となった。国別ではフランスが2万2,689台でトップに立ち、ドイツ(1万1,472台)、英国(1万268台)と続いている。ただ、低公害車が全体に占める割合は依然として小さく、新車登録台数のうち電気自動車とハイブリッド車を合わせたシェアは1.1%と、前年の1.2%から縮小した。

一方、新車のCO2排出量はオランダを除くすべての加盟国で15年の水準を下回った。ただ、前年比5%増となったオランダでは走行1キロメートルあたりのCO2排出量が平均106グラムとなっており、これはポルトガルの105グラムに次いで低い水準。デンマークとギリシャも105グラムで同率2位に並んでいる。これに対し、エストニアは平均134グラムと、全加盟国の中で最もCO2排出量が多くなっている。一方、前年と比較したCO2排出量の削減幅はラトビアの8.2グラムが最も大きく、チェコ(5.2グラム)が2位につけた。

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