蘭ASMLとニコン、半導体露光装置の特許めぐり訴訟合戦

オランダの半導体製造装置大手ASMLは4月28日、ニコンを特許侵害で提訴したと発表した。ニコンは24日、半導体露光装置の特許をめぐってASMLと同社に光学部品を供給している独カールツァイスを提訴しており、これを受けてASMLが対抗措置に出たもの。ASMLは日本に続き、米国でもニコンを提訴する方針を示している。

今回の訴訟はASML単独と、同社とカールツァイスが共同で起こしたものがあり、半導体製造装置、フラットパネルディスプレー製造装置、デジタルカメラなど、合わせて10件以上の特許侵害を主張している。

ニコンとASMLの特許紛争は、1990年代に半導体露光装置で最大シェアを誇っていたニコンがASMLを提訴した2001年に遡る。両社は04年に和解し、クロスライセンス契約を結んで14年末までは相互に特許訴訟を行わない不争期間とすることで合意した。しかし、15年以降は新たなライセンス契約に向けた交渉で合意することができず、ニコンは先月、日本、オランダ、ドイツでASMLとカールツァイスに半導体露光装置の販売差し止めと損害賠償を求める特許権侵害訴訟を提起した。

ASMLのウェニンク最高経営責任者(CEO)は声明で、「ニコンが再び法定闘争に踏み切ったため、当社としては可能な限り幅広い分野で自身の特許資産を守るために必要な措置を講じることにした」と説明。ニコンはASMLの提訴を受け、「提訴の内容を慎重に検討して適切に対応する」とコメントしている。

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