米PPG、アクゾ買収額をさらに引き上げ

塗料世界最大手アクゾ・ノーベル(オランダ)の買収に乗り出している米同業PPGインダストリーズは4月24日、新たな買収案を提示したと発表した。拒否を続けるアクゾ経営陣に方針転換を迫るのが狙い。買収額は前回の提示額を8%上回る269億ユーロとなる。

アクゾは3月、PPGから総額220億ユーロでの買収を提案されたが、拒否を表明。PPGは同月、買収額を224億ユーロに引き上げたが、アクゾは応じなかった。

アクゾの取締役会は提示額を不満としているほか、買収で合意したとしてもEUなどの競争当局の承認を得ることができない可能性があるとして、受け入れを拒んでいる。

これを受けてPPGは今回、買収額を引き上げると同時に、買収計画が当局から承認されなかった場合に違約金を支払うことも提案した。1株当たりの買い取り価格は96.75ユーロで、最初の買収提案が発表される直前のアクゾの終値に50%を上乗せした水準となる。

アクゾ株主の間では、PPGの買収案を評価し、アクゾ取締役会に少なくとも買収交渉に応じるよう求める動きが広がっている。PPGは新提案によってアクゾに揺さぶりをかけた格好。アクゾは過去2回の買収提案を即座に拒否したが、今回は株主に配慮し、初めて提案を検討する意向を表明した。

一方、アクゾが25日に開いた年次株主総会で、同買収に前向きの姿勢を示している大株主の投資会社エリオット・アドバイザーズは、バーグマンス会長の解任に向けた臨時株主総会の開催を提案したが、アクゾは拒否した。

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