日立化成は4月27日、自動車などの断熱部品を製造する独イゾライトを投資会社などから完全買収することで合意したと発表した。日立化成は2018年中期経営計画で自動車部材のグローバルサプライヤーになるための基盤強化方針を打ち出していることから、今回の買収に踏み切った。取引金額は明らかにしていない。
イゾライトは自動車・航空機・産業用途の断熱部品を手がける企業で、エンジンなどの高熱部分に密着させて高い断熱効果を発揮する独自開発の「ダイレクト・インシュレーション製品」を生産している。
同製品は燃費向上目的で欧州を中心に自動車への搭載が進むターボチャージャーに接続する配管の断熱部品として、大手自動車メーカーに採用されている。今後は米国や日本など欧州以外の地域でもターボチャージャー搭載車が普及する見通しで、イゾライトの断熱部品事業はグローバルに拡大すると見込まれる。
日立化成は今回の買収により、イゾライトの断熱部品を日本の自動車メーカーに拡販するとともに、イゾライトの欧州販売網や製造拠点を活用して自社製自動車部材の欧州展開を加速する。断熱技術分野のシナジーにより開発も加速し、エンジン・排気系部品など熱マネジメントに関するソリューション提案を進めていく。