「未来の鍵は技術主導権、スピード、コンピタンス」=BMW社長

独高級車大手BMWのハラルド・クリューガー社長は独経済誌『ビランツ』(4月28日、電子版)に掲載されたインタビュー記事の中で、自動運転技術や、欧州市場や高級車市場の今後の見通しなどについて語った。

クリューガー社長は、(自動運転や電動化などで巨額の費用が必要となる中で)現在も以前のような大規模なコスト削減が依然として重要であるかとの質問に対し、「少なくとも同じくらい重要なのは、スピードとコンピタンス(能力)だ」と述べ、自動運転やデジタル自動車の能力を持たない、あるいは、十分な速さでこれらを達成できないメーカーは厳しい状況になるとの見解を示した。さらに、「現在、世界で最大の企業であるかどうかは関係ない。技術で主導権を取れるかが将来の鍵となる」と強調した。

自動運転で「レベル5」が実現する時期の見通しについては、「各国の法整備にもよるため、時期を明言するのは難しい、また、例えば、大きな情報データを確実に伝達するための技術とインフラも必要になる」と述べ、技術だけでなく、法律やインフラなどの環境が整うことが条件になるとの見解を示した。このため、BMWではまず、技術面では「レベル3」と「レベル4」、すなわち、ドライバーが運転席でバックアップ体制をとる自動運転技術の確立を目指している、と説明した。

■ 高級車市場、欧州はまだ成長余地、中国は大きな潜在性

クリューガー社長はこのほか、「欧州市場がピークに達したとは思わない」と述べ、さらに成長の可能性があるとの見解を示した。BMWは2016年に2ケタの成長を確保しており、このような高水準が続くことはないにしても、まだ成長の余地はあるとコメントした。ただ、BMWにとって欧州で2番目に大きい市場である英国の今後が大きな懸念材料であるとも付け加えた。

また、高級車市場は引き続き魅力的であり、世界的には中国市場などで平均以上の成長チャンスがあるとの見解を示した。

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