英スタンチャート銀、独に欧州統括子会社設立へ

英スタンダード・チャータード(スタンチャート)銀行は、英国のEU離脱に伴い、独フランクフルトに欧州事業を統括する子会社を設立することを検討している。ビニャルス会長が3日、年次株主総会で明らかにした。

EUでは金融や保険会社などが加盟国のうち1カ国で認可を取得すれば、域内全域で活動することができる「パスポート制度」が導入されている。スタンダード・チャータードは英国が離脱によってEU単一市場へのアクセスを失い、同制度を利用できなくなると欧州業務に支障が出ることから、支店があり、ユーロ決済業務を展開しているフランクフルトに子会社を設立する方向で検討している。ビニャルス会長によると、同計画について独当局と協議を行っているという。

英国の金融、保険業界はEU離脱に備えた対応を迫られており、銀行ではHSBCホールディングスが1月、ロンドンの拠点から1,000人を仏パリに移す意向を表明。ロイズ・バンキング・グループは独ベルリン、バークレイズはアイルランドのダブリンに欧州統括会社を設立することを計画している。また、世界最大級の保険引受組合である英ロイズ・オブ・ロンドン(ロイズ保険組合)は3月末、ベルギーのブリュッセルにEU拠点を開設すると発表していた。

上部へスクロール