中国製シームレス管に正式な反ダンピング措置、欧州委が決定

欧州委員会は12日、中国製のシームレス管に正式な反ダンピング（不当廉売）措置を発動すると発表した。すでに実施している暫定的な反ダンピング措置を本格的な措置に切り替え、29.2～54.9％の反ダンピング関税を課す。

対象となるのは、石油・ガス、電力、建設業界などで利用される外径406.4ミリメートルを超えるシームレス管（ステンレス、鋳鉄製を除く）。

欧州委は2016年2月、EU内の業界団体である欧州鉄鋼協会（EUROFER）から、中国の鉄鋼メーカーが不当な廉価で輸出し、域内メーカーを圧迫しているという苦情が寄せられたことを受けて、反ダンピング調査を開始。11月に暫定的な反ダンピング措置を発動していた。

その後の調査の結果、中国製品のダンピング輸出が確認されたとして、最長5年の正式な反ダンピング措置に切り替えた。関税率は暫定措置の43.5～81.1％を下回る水準に設定した。

欧州委は中国製の熱間圧延平鋼、厚板鋼材についても、シームレス管と同時に反ダンピング調査を開始。厚板鋼材は2月、熱間圧延平鋼は4月に正式な反ダンピング措置を発動した。