ウーバーはタクシーと同じ「旅客輸送事業者」、欧州裁法務官

欧州司法裁判所の法務官は11日、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズを旅客輸送事業者として扱い、タクシー事業者と同様の規制を適用して免許取得を義務づけるべきだとの見解を示した。法務官の見解は拘束力を持たないが、欧州裁が最終的に同見解に沿った判決を下した場合、「シェアリングエコノミー」サービスを提供する民泊仲介最大手の米エアビーアンドビーなどにも影響が及ぶ可能性がある。

ウーバーは5年前に欧州市場に進出し、営業免許を持たない一般のドライバーを活用した配車サービス「ウーバーポップ」の提供を開始した。スマートフォンのアプリを介してドライバーを手配し、低料金で客を送迎する同サービスは急速に浸透したが、ウーバーにシェアを奪われたタクシー業界の強い反発を受け、現在は正規のタクシー営業免許を持つドライバーを使った配車サービスに軸足を移している。

今回の事案は、ウーバーが営業免許を持たないドライバーを使って違法なサービスを提供しているとして、バルセロナのタクシー運転手が加盟する団体「プロフェッショナル・エリート・タクシー協会」が訴えを起こしたもの。同協会は、ウーバーポップによってタクシー運転手が競争上、不利な立場に置かれたと主張していた。

欧州裁の法務官は、自社のサービスについて「電子プラットフォームを介して利用者とドライバーをマッチングしているだけ」だとするウーバーの主張に対し、「ウーバーは自ら需要を創出」して「都市交通サービスの重要な側面」を担っていると指摘。ウーバーのドライバーは完全にプラットフォームに依存しており、同社のサービスを「単に需要と供給を結びつける仲介サービスとみなすことはできない」と結論づけた。

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