再生エネ入札制度、陸上風力でも効果鮮明に

独連邦ネットワーク庁は19日、陸上風力発電パークの新規設置を対象に初めて実施した助成金入札の結果を発表した。落札価格の平均はこれまでの固定買い取り価格を約20%下回る1キロワット時(kWh)当たり5.71セント。入札制度に買い取り価格の押し下げ効果があることが、洋上風力発電パークに引き続き明らかになった格好だ。

陸上風力発電の入札規模は年2,500メガワット(MW)で、ネットワーク庁は今年、入札を3回実施する。第1回目となった今回は入札規模800MWに対し、計2,137MWの応札があった。応札倍率は約2.7倍と高く、競争原理が働いた。

応札件数は256件で、そのうち70件が落札した。落札価格の最低は1kWh当たり5.25セント、最高は同5.78セントで、これまでの固定買い取り価格(7~8セント)を大きく下回る。

落札件数が多かったのは風力発電に適した北部州で、南部州は計7件にとどまった。

再生エネ電力はこれまで、固定価格で買い取ることが再生可能エネルギー法(EEG)で義務づけられていた。だが、買い取り価格で得られる収入は発電施設の設置・運営コストを大幅に上回り、施設を設置すれば確実に利益を得られることから、再生エネ発電施設を設置する企業や投資家、市民が急増。これにより再生エネを大幅に拡充するとした政府の思惑は満たされたものの、同電力買い取りの費用は最終的に電力料金に上乗せされることから、消費者や企業の負担が限界に達している。

こうした現状を改めるため、再生エネ発電施設の新規設置を入札によって決める制度が今年から本格導入された。低価格での買い取りを提示した事業者が落札することから、買い取り総額の膨張に歯止めがかかる。風力発電のほか、発電容量750KW超の大型太陽光発電、バイオマス発電施設が対象となる。洋上風力発電を対象とした第1回目の入札では電力大手のEnBWが助成金を一切、請求せずに応札し、トップで落札した。

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