独自動車大手のダイムラーは2日、バスの部品生産に積層造形装置(3 Dプリンター)を導入すると発表した。メルセデスベンツおよびセトラブランドのバス向けに小規模での部品生産や交換部品生産に3Dプリンターを活用する。
3 Dプリンターでは、射出成形部品で必要だった金型が不要となる。また、データを基に需要に応じて小規模でも生産できるため、長期間に渡り金型や一定の部品数を在庫として保管しておく必要がなく、コストや手間を削減できる。生産工程で発生する部材の廃棄もなくなるという。
ダイムラーのバス部門では、特殊部品や交換部品向けに、粉末焼結積層(SLS)方式でポリアミド樹脂部品を生産する方法を実用化した。これまでに約780の部品を顧客向けに生産した実績がある。現在は、150種類を超えるバス用部品を3Dプリンターで生産する技術を開発しているという。
ダイムラーのバス部門を統括するハルムート・シック部長は3Dプリンター導入について、「市場や顧客のニーズに柔軟に対応できると同時に、投資リスクを最小限に抑えることができる生産技術として、中期的に大きな潜在性があるとみている」との見解を示している。