自動車部品大手の独ボッシュは19日、同国東部のドレスデンに半導体工場を建設すると発表した。自動車とモノのインターネット(IoT)分野を中心に需要が拡大していることに対応する。投資額は約10億ユーロで、個別投資では同社史上最大となる。欧州連合(EU)欧州委員会の承認を経て国と州から2億ユーロ強の補助金を受ける計画。
2018年末までに着工し、19年末までに完成させる計画で、21年末から300ミリウエハーベースの半導体を生産する。最大700人を新規雇用する。
ボッシュは現在、西南ドイツのロイトリンゲン工場で150・200ミリウエハーをベースに半導体を製造している。生産量は特定用途向け集積回路(ASIC)で1日当たり150万個、微小電気機械システム(MEMS)で同400万個。
ボッシュは半導体産業が盛んなアジア、北米に新工場を設置することも検討したが、ドイツの産業立地競争力を維持することを重視して今回の立地選定を行った。ドレスデンはマイクロエレクトロニクス産業クラスター「シリコン・サクソニー」の中心都市で半導体産業が盛んなことから、白羽の矢を立てた。