欧州医療機器大手のフィリップス(オランダ)は6月28日、米同業スペクトラネティクスを買収することで合意したと発表した。買収額は負債引き受けも含めて19億ユーロ。心臓病、血管疾患の治療機器で強みを持つ同社の買収により、関連事業を強化する。
1株当たりの買い取り価格は38.5ドル。前日終値に27%上乗せした水準だ。今年9月末までの買収手続き完了を見込む。
スペクトラネティクスは血管の詰まりを取り除くレーザー機器などを手がける企業。血管狭窄の新たな治療機器として急成長が見込める薬剤コーテッドバルーンも開発中で、近く米当局の認可を得る見通しだ。このところ2けたの増収を記録しており、フィリップスによると今年の売上高は3億ドル前後に上るとみられている。
フィリップスは看板だった家電事業の大半を売却したほか、照明事業を切り離し、収益力が高いヘルスケア事業を強化している。2015年には血管内超音波診断装置などを手がける米ボルケーノを12億ドルで買収した。スペクトラネティクスは画像誘導治療部門に統合する予定だ。