ダイムラー―中国合弁で車載電池生産へ―

自動車大手のダイムラー(シュツットガルト)は5日、北京汽車(BAIC)との中国合弁、北京ベンツ・オートモーティブ(BBAC)に両社合わせて約50億人民元(6億5,500万ユーロ)を投資することで枠組み合意した。電気自動車(EV)と車載電池を生産し、急速な拡大が予想される現地のEV需要を取り込む考えだ。ダイムラーがドイツ国外に電池工場を持つのは初めて。

北京にあるBBACの工場で2020年からEVを生産する計画で、これに搭載する電池も同合弁で製造する。電池セルは中国製品を調達する。

中国政府は非従来型の動力源を利用したエコカーを「新エネルギー車」と定義し、奨励金を通して販売を促進している。このためEVなどの需要は増加している。

一方、メーカーに対しては自動車販売台数の一定比率以上を新エネ車とすることを義務づける方針を打ち出しており、各社は新エネ車の現地生産比率を速やかに高めなければならないという課題に直面している。ダイムラーはこうした事情を受けて今回の取り決めを行ったとみられる。

ダイムラーは22年までに新EVを10モデル以上、を市場投入する計画で、これに投入するリチウムイオン電池システムをグローバルに生産する考えだ。総額10億ユーロを投資する予定で、同分野の中核生産拠点である独カメンツ工場にはその半分の5億ユーロを投じる。BBACでの電池生産にはBAICと合わせて1億ユーロのケタ台の資金を投入する。

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