フォルクスワーゲン―「テスラ」キラー投入へ―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は低価格の電気自動車(EV)を市場投入する計画だ。VWブランド乗用車事業を統括するヘルベルト・ディース取締役がdpa通信に明らかにしたもので、航続距離の長い低価格EVを他社に先駆けて投入する米テスラを追撃し追い越す考えだ。

テスラは同社初の大衆向けEVである「モデル3」の量産を7日に開始した。米国での販売価格は3万5,000ドル(約3万800ユーロ)から。航続距離が350キロと比較的長いことから、同モデルの発売を機にEV需要に火が付くと期待されている。テスラは昨年8万4,000台にとどまった同社の販売台数が2018年に50万台、20年には100万台へと拡大すると予想している。

VWはこれに対抗するEV「I.D.」を20年に市場投入する。すでにデザインは完成しており、見かけはコンパクトカーの「ゴルフ」風、内装は中型車「パサート風」となる。航続距離は600キロ。今後いかに低コストで生産するかを検討し、「ディーゼル車の値段でテスラ車に匹敵する性能を持ったモデル」を実現する考えだ。

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