仏政府、造船STX買収めぐり伊と対立

イタリアの国営造船会社フィンカンティエリが仏同業STXフランスを買収する計画をめぐり、両国政府が対立している。仏政府がフィンカンティエリによる過半数株式の取得に反対し、STXフランスを一時的に国有化したためだ。両国は1日、同問題について協議したが、イタリアが仏資本との折半出資を求めるフランス側の要求を拒否し、解決に至らなかった。

STXフランスは韓国のSTX造船海洋の子会社。親会社が経営破綻したことを受けて売却が決まり、フィンカンティエリが過半数の株式を取得することで4月に合意した。STXフランスの少数株式を保有する仏政府も、当時のオランド大統領が合意を支持していた。

しかし、その後に誕生したマクロン政権は、STXフランスの雇用が守られないとして同合意に反発し、仏・伊の折半出資とすることを要求。これにフィンカンティエリが応じないため、仏政府は再交渉に向けた時間稼ぎという理由で、STXフランスの株主から保有株を優先的に買い取る権利を7月に行使し、同社を国有化した。

仏ルメール経済相は1日にローマでと伊パドアン経済相らと会談し、同問題について協議した。しかし、イタリア側はフィンカンティエが合意に基づき過半数を超える株式を取得するという主張を譲らず、物別れに終わった。双方は9月27日に首脳会談を開き、解決を目指すことで合意したが、ルメール経済相は伊メディアに対して、協議が不調に終わった場合はSTXフランスの他の企業への売却を検討する意向を表明した。

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