ECBがアイルランド大手銀に制裁、流動性規制違反で

欧州中央銀行(ECB)は8月28日、アイルランド大手銀行のパーマネントTSBが流動性規制を順守しなかったとして、総額250万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。ユーロ圏の大手銀行の監督をECBに一元化する「欧州単一監督メカニズム(SSM)」が2014年末に始動してから初の制裁発動となる。

ECBはユーロ圏の銀行に対して、資金繰りの悪化に備えて、換金が容易な流動性のある資産が全資産に占める割合を一定水準に保つことを求める「流動性カバレッジ比率(LCR)」を導入している。パーマネントTSBは15年10月から16年4月にかけて基準を満たさなかったため、ECBは15年2月と11月に是正を命じたが、いずれも応じなかったことから、それぞれの案件で75万ユーロ、175万ユーロの制裁を科した。

パーマネントTSBは声明で、規制を誤って解釈していたことが違反の理由と説明。その後に是正を進め、16年4月から規制を順守していることを明らかにした。

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