スペイン北東部カタルーニャ自治州の議会は6日、スペインからの分離独立の是非を問う住民投票を実施するための法案を賛成多数で可決した。州政府は10月1日に投票を実施する施行令を出し、地元自治体に協力を呼びかけている。しかし、中央政府は住民投票を断固阻止する構え。憲法裁判所も法律の一時差し止めを表明しており、実施予定日が迫るなかで緊張が高まっている。
カタルーニャは独自の言語と文化を持ち、長年にわたってスペインからの独立問題がくすぶり続けている。7月に行われた世論調査では独立賛成派が41%、反対派が49%だったが、8月に州都バルセロナなどで約140人が死傷した連続テロを機に、急速に独立派が勢いを増しており、最近は賛否がほぼ半数になっているとの分析もある。
州議会で住民投票実施法が可決・成立したことを受け、独立を阻止したい中央政府は対抗措置を打ち出した。ラホイ首相は7日、国の主権にかかわる事案を1つの自治州だけで決めることはできないとの立場を改めて示し、独立の是非を問う住民投票は「とうてい受け入れられない」と強く非難。憲法裁に実施法の無効化を訴えると共に、投票結果によっては州の自治権を停止するなどの厳しい措置も辞さない考えを示した。
憲法裁は政府の求めに応じ、住民投票の実施法が違憲かどうか判断を下すまで、法律の施行を一時差し止めると表明。さらに検察当局も7日、住民投票を計画した州政府や州議会の幹部らを起訴する方針を明らかにした。